実際試験で出された課題です。10年前ですが、今も変わってないと思います。
(制限時間など全体のスケジュールはマイスター実技試験 日程と概要をご覧ください。)
シチュエーション課題
実際に担当する患者さんの難易度によって、試験委員会が課題を決めます。
比較的簡単であれば「内底靴」、比較的難しければ「矯正インソール」といった感じです。
これらは実際に患者さんがいるわけではなく、試験用に用意された木型を使って制作します。
昔は整形靴は白・黒・紺・茶と色が決まっていたので(保険適応の場合)このような内定靴を用いて自分の好きな靴が履けるようにする、という需要があったのですが、今では色もデザインも好きに選べるようになったので、外履きと部屋履き用の靴を作って履分けるのが主流で、マイスター試験以来1回か2回しか作ったことはありません。。。
ドキュメント
マイスター実技試験では、プラン作成
- 整形靴コンセプト提案
- 整形靴構図
- 予算案作成(健康保険の料金プランに順ずるものと、制作に必要なマテリアルの数量と価格、および必要な見積時間に基づい他原価見積)
のドキュメント課題も配点の大きな割合を締めます。
A3のフォルダにまとめて提出&展示します。項目は決められいますが、デザインは自由です。
この合計金額を比較すると、健康保険の料金表から計算された金額の方が456€(約57000円)ほど低くなっています。マイスター学校では保険適応での靴制作はまともにやっていると赤字になる、という現実を学ぶのです。。。
整形靴
整形履は自分が立てたプランに添って作られていることが最低条件になります。
色やデザインはお客さんの意向は一切聞かず、好きに作って良いです。
もちろん、最終的に患者さんがそれを履いて歩けることが合格の条件になります。
ただ、もし何か不具合があったとしても、それをどのように改善するべきかを、口頭試問で正しく答えることができれば合格できる場合もあります。
短靴を作って、歩くと踵が抜けてしまう、というのは完全にアウト、不合格でした。
他のマイスター学校では糖尿病足の整形靴は足裏の圧力分散のコントロールもあり、足圧が分散されていなかったら不合格、となっていたそうです。
石膏足型
患者さんの足を石膏バンドで型を取り、石膏を流し込んで『足』を仕上げます。
この足にこの靴、というのが見られます。
他の学校でもやるのかは謎です。
まとめて展示
以上、実技試験課題一例でした。
ちなみに私の実技の成績は『普通』でした。
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