Step 1：3年〜3年半の職業訓練を経て職人試験に合格する・または同等の要件を満たす
- まずは王道、職業訓練を受け、職人資格を取得する。
職業訓練の概要は「デュアルシステム（２元システム）」を参照してください。
15年くらい前までは「職人（ゲゼレ）として実務経験3年以上」という規定がありましたが、今はないので、職人試験に合格した時点でマイスターコース受講もしくはマイスター試験が受験できます。 - 職人資格を持っているが受けたいマイスター資格と職業が一致しない場合、その分野での実務経験2年以上を証明すること。
- 職人資格を全く持っていない場合はその職業分野で6年以上の実務経験を証明すること。
制度的には日本人がドイツでマイスターになりたい場合、職業訓練を受けなくても6年間整形靴店で実務経験を積めば試験を受けられることになりますが、２倍の時間がかかるのと、普通に働いていると理論の勉強などはなかなか難しいので、給料は少ないですが、職業訓練を3年半した方が効率が良いと思います。
Step 2 : マイスターコース４分野のテストに合格する
マイスター資格を得るためには４つの試験に合格しなければなりません。
- Teil 1 : 専門実技
- Teil 2 : 専門理論
- Teil 3 : 経営学・簿記
- Teil 4 : 職業教育
これらには「準備コース」があって、受講して試験を受ける、というのが一般的です。
準備コースは受けなくても願書を提出して受験料(州によって違う)を払えばテストを受けることはできますが、日本の大学受験と違って過去問などは出回っていないので、準備コースを受講してテストに備えるのがやっぱり効率的です。
Teil 3と4は全職業共通なので、各都市で様々な期間や時間帯や受講料のコースが提供されているので、自分にあったものを選択し受講します。
目安としては、長いもので夜間コース1年くらいで、全日制のコースであれば、Teil 3+4で１ヶ月程度のというのもあります。
私が受けたときは Teil 3 が1800€、Teil 4 が600€で、テスト代が各500€くらいだったと思います。(10年程前の話なので今はもっと上がっているでしょう。。)
整形靴の場合、Teil 1と2の準備コースはセットになっていて、学校はドイツ全国にハノーファー、デュッセルドルフ、ランツフート（バイエルン州）、ジーベンレーン（ザクセン州）、ランゲン（ヘッセン州）の５つがあります。
地理的には東西南北と真ん中にある感じでしょうか。
コースの期間や値段は学校によって違います。
デュッセルドルフが唯一の定時制学校で、週２日で2年間。
他の学校は全日制で５ヶ月〜７ヶ月です。
公開されている費用（2021年現在）
- デュッセルドルフ 11.890,00 €（マテリアル代込）
- ハノーファー 15.330,00 € （マテリアル代込）
- ランツフート 13.460,00 €
- ランゲン 14.850,00€ （マテリアル代、テスト代込）
- ジーベンレーン 12.550,00 €
日本円にすると150万〜200万円の費用➕全日制の学校の場合は寮がありますが、生活費も必要になります。
奨学金制度もありますが、州によって基準が違うので、もらえない可能性もあります。
（私も申請してみましたが、大卒の資格がドイツで認められてしまったためもらえませんでした。奨学金は「キャリアアップが目的のもので、学士を持っているのならこのマイスターの資格はキャリアップに必要なものではない」というのが理由でした。。。）
全てのテストに合格すると、『Meisterbrief』という証書がもらえ、晴れてマイスターです。
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