ここ数年日本のニュースを見ていると会社における「ダイバーシティー」という言葉を目にするようになりました。
外国人の割合
私の職場を見る限り、意識をしなくても勝手にダイバーシティー(多様化)しています(笑)
特に手工業の分野では外国人の割合が多いように感じます。
お役所はやっぱりドイツ人が多いですね。
学がなければ就職できないところにはドイツ人が多い、ということでしょうか。
後は地域によっても外国人の割合は違います。小さな町ほど外国人が少ないです。
現在の私の働いている会社の工房の社員は12人。
- ドイツ人: 6名
- カザフスタン人(ロシア): 3名
- トルコ人: 2名
- 日本人: 1名
外国人の割合は50%!!
他の少人数の工房でも、ドイツ人:外国人= 3:2 と1:2
マイスター学校は17人中外国人は2人。
外国人、とはいえドイツのパスポートを所持している方がほとんどなので、「文化・宗教」が違う人達、という感じです。
ドイツ語も皆堪能です。子供の時にドイツに移民として来た人や、片親がドイツ人の人はドイツ語と母国語のバイリンガル。
でも、彼らには自分が「ドイツ人」だという認識はありません。
ドイツ人の考え方や性質と大部違うからでしょうか。
ドイツのパスポートを所持しているのは自国のパスポートよりも便利だから、という理由みたいです。
(日本のパスポートを持っていると実感がありませんが、他国のパスポートは行ける国が制限されていることが多いそうです。)
年齢
(現職場より)
- 60代:1名
- 50代:2名
- 40代:7名
- 30代:1名
- 20代:1名
- 10代:1名
給与が他の職業に比べて低いので、若者への人気はないです。。。
(給与に関して→職業訓練1年目/職業訓練2年目/職業訓練3年目/ゲゼレ/マイスター)
職人の高齢化は他の会社でも問題になっているようで、職人の高齢化で工房をクローズするところも増えてきています
また、「昔はよくあったけど、今は滅多に来ない」といった修理などの技術が伝承されなくて、お客さんが困っている、なんていう話も聞きます。
男女比
現職場
男性:女性=7:5
(全員)
男性:女性=7:3
(整形靴職人)
マイスター学校生徒
男性:女性=14:3
職人資格を持って働いている人は男性が女性の倍近く。
マイスターを取得者となると女性の割合はもっと減ります。
ただ、これがアッパーの縫製も行っている工房となると女性比が高くなります。
職業学校の同級生の女の子で、職業訓練先を探すのが大変だった、と話していた子もいました。
理由は「女性は雇わない」ということ。
私が働いている会社でも、今年職人試験を受けた子が初めて雇った女性職業訓練生でした。
女性を雇うのを渋る理由は、職業訓練生には重たい物を運んだりと肉体労働をさせるから。
女性だから免除、、、とか例外を作っていくのは面倒だ、といったところでしょうか。
腕力や握力がなければ、固い・分厚い・大きなマテリアルを切ったりするのも時間がかかります。
徐々に慣れますが、男性と全く同じパフォーマンスをする、というのは無理があるので、自分なりに工夫をしていく必要があります。
従業員の意識とお客さんの意識
従業員同士には男女差別や人種差別的な雰囲気はありません。皆同等に意見を言える環境や雰囲気があります。
が、お客さんの意識は
靴職人・専門家=男
ドイツ人の方が優れている
と思っている人が少なからずいます。
私がお店で接客すると靴の販売員だと思っていたり、私が整形靴職人だと言っても職業訓練生と思われたり、怪訝そうな顔をされますし、他のスタッフが私をマイスターだ、と紹介してもドイツ人スタッフと話したがります。
13年前までいた外国人の少ない小さな町では、接客しようとしたお年寄りに「触らないで!」と言われたこともあります。
ドイツで育ったスリランカ人の男の子も接客しようとしたお客さんに、担当を変えて欲しいと言われたことがあるそうです。
そういう差別意識のないお客さんが大半ですが、私はそういうのがストレスになるので、工房に引っ込んでおります(笑)石膏で足形採取する時くらいしかお客さんとは関わりません。
会社が大きくなって、販売と製造が完全に別れて快適になりました。
ドイツで働いて、いろいろな国の価値観や考え方・習慣に触れることができると、日本のいい所や悪いところも客観的に見れて良い経験になっていると思います。
他の国で靴職人として働いていた人もいるので、違う工具、技術が見れたりもして興味深いです。
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