一言に「整形外科的インソール」といっても、いくつかの種類があります。
インソールの種類は主に使われるマテリアルと製造方法や用途、症状によって決められています。
(ドイツ健康保険の基準で値段が変わってきます。)
Weichpolstereinlagen / ソフトクッションインソール
スポーツシューズ、コンフォートシューズで、中敷が取れるタイプの靴に用いられます。
クッション性は厚さが厚ければ厚いほど柔らかくすることが可能です。
- 半既成インソール
- 足裏スキャン→CADで設計→スライス盤で削りだす または
→3Dプリンターで出力
Kunststoffledereinlagen / 人工素材+レザーインソール
ひと昔前までは、コルク・レザーインソールという名前で、薄型の硬いインソールを指しましたが、今は、カーボンを始め、様々な軽く薄く、硬度の高い素材があり、人工素材の仕様が主流になっています。
かなり薄くすることが可能で、中敷が外せないタイプの靴にでも入れることが可能です。
ただ、クッション性は薄くすればするほど無くなります。
薄くてクッション性の高いインソールは存在しない、ということです。
handwerklich angefertigte Einlagen / フルオーダーインソール
上2つがフットプリントや2Dのフットスキャンを元に、半既成のインソールを使用して作製されるのに対し、
このインソールはトリッシャムでとった足型(ネガティブ)からラスト(ポジティブ)を作成して作られるインソール。
半既成のインソールでは対応できない変形の場合に処方されます。
近年では、3Dプリンターを使って作られることも多くなって来ました。
↓ではクラシカルな製作の仕方を紹介しています。
Diabetes adaptierte Fußbettung / 糖尿病足適応フットベット
糖尿病足に対応したフットベット。
これもフルオーダーインソールで、トリッシャムでとった足型(ネガティブ)からラスト(ポジティブ)を作成して作られます。
潰瘍があったり、既成靴が履けない場合に糖尿病足用のセラピーシューズと合わせて処方されることが多いです。
セラピーシューズとはいえ、見た目は普通の靴で、厚さ約1cmの中敷が敷いてあり、それを外してオーダーメイドのフットベットを入れます。
このフットベットで重要なことは、
- サンドウィッチ構造であること(足に触れる部分が最も柔らかく、そこから離れるにつれて硬さが増して行く)
- 圧力分散されること
- 糖尿病足に適した素材を使用すること
CADでの制作も保険によって認められるようになりました。
Sensomotorische Einlagen / 知覚連動インサート
医学的にその効果は証明されていないので、保険適応外になる場合が多いですが、年々注目を集め、今ではいろいろな種類が出ています。
普通のインソールが足の形に沿って作られる「受動インソール」と呼ばれるのに対し、この知覚連動インサートは、特定の筋肉に刺激を与える構造になっているので「アクティブインソール」と呼ばれています。
利用シーンと効果
- 個別の適応: 個々のニーズに合わせてカスタマイズされ、4D測定や特定のクッション構造を利用して最適なフィット感を提供。
- 症状改善: 足の変形、腰痛、膝の問題、スポーツ活動におけるパフォーマンス向上、過負荷の防止など、さまざまなシチュエーションで効果があるとされています。
(写真や個別の詳細な記事は随時アップしていきます。)
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