ドイツも深刻です。
これからもっと深刻になってくるかもしれません。
今、私が働いている会社で、主に製造に関わっている職人は、9人中8人が40歳オーバー。
(その40歳以上のうち、50歳以上2人、70歳1人)
他は20代の女性が一人いるのみ。
最近ヘルプで入った男性2人はおそらく30代。
職業訓練は受けてないので、「整形靴職人」ではありません。
もう一人30代の整形靴職人がいますが、彼はオペレーションを担当しているので、製造はしていません。
毎年、職業訓練生(17・18歳)が1〜2人は入ってくるのです。
ただ、続かない。
大抵、一年経たないうちに脱落してしまう。
原因はなんでしょう?
動機
A. 親や親戚が整形靴職人
- 跡取りとして
- 親の事業拡大を手伝えたら(親が医療用品店経営の場合が多い)
- お父さんみたいになりたい
B. 自分が整形靴を履いている
C. 知り合いの紹介/親が見つけてきた
- 勉強は苦手だから進学は・・・
- 進学も仕事もしていない状態だけど、何もしない訳には・・・
- ちょっと手作業好き
AとBは少数派。
ほとんがC。
要するに、
なんとなく
始める人が多い。
今まで、動機B以外の人で、
「整形靴が勉強したくて!」
「靴が好きで!」
というドイツ育ちの人に会ったことないです。
ちょっと面白そうかな、くらいで始めたことがやっていくうちに興味がわいて面白くなってくる、という人が大半という印象です。
一年目の仕事内容
私の働いている会社では、
- 職業学校に行く(週1)
- システムに上がってきたお客さんの名前のシールをプリントアウトし、ケースに貼って、インソールのマテリアル・パーツを中に入れる(毎日)
- マシンの掃除(週1)
- 入荷したマテリアルを検品、各所に収納
- 各支店を回ってきたドライバーが来たら、車の中から荷物を運び出し、出来上がったインソールや靴などを車に詰める(毎日)
- 各支店から運ばれてきた修理・加工用の靴を個別ケースに入れ、システムからシールをプリントアウトして貼る(毎日)
- お客さんに送る荷物を出しに行く
- 備品発注
- ゴミのコンテナを出す(週2)
- ギプスの型を離型剤で下処理、発砲樹脂を流し込んで足型作製し、さらに爪先をつける(参照 : https://www.bonmeistermemo.com/leistenbau/)
- インソールのパーツ・敷革貼り
- 病院にトリッシャム(未使用)を持っていく
- その他雑用
働いている職人やマイスターの仕事、マイスター学校に通っている職人など、色々な人がいる中で、彼らの目にこの職業がどういう風に写っているかは分からないけれど、この一年目の仕事だけを見ると、完全にただの下働きなわけで。
「今の若者は根性がない!」
的な論調はドイツにもあり、
確かにそうなんだけど、
この仕事内容にも問題があるんじゃないかと思ったりもします。
「手工業」とは?
17年くらい前に職業学校で行った遠足で、とある「ハンドメイド」を謳っている工場を見学した時に先生が言っていた問いかけ。
今でもよく思い出します。
コメント
日本で整形靴を作り、2月にゲゼレ試験を受けに行く者です。ブログ、貴重な体験談を柔らかくお伝えされてて好感を抱き、とても参考にさせて頂いております。
これからも楽しみにしてます!
読んでいただき、ありがとうございます。
もうすぐ職人試験のためにドイツに来られると言うことでしょうか?
頑張ってくださいね!