職業訓練を始めたばかりの人、特に早い人は16歳〜17歳から始めるので、まだ世間知らずというか無知というか素直なので、先輩職人からからかわれることもよくありました。
(最近はそういう風潮でないのか、うちの会社ではないです。)
私はやられなかったけど、今のところ実際に見聞きして印象に残ったのは2つ。
Augenmaß
アウゲンマース:日本語訳は目分量。
日本語で見ると、これで騙されるわけがないのですが、ドイツ語だとなんかそういう商品がありそうな感じに聞こえるかも?
ある日、地下にある工房で、新職業訓練生が何かトンチンカンな間違いをした時、
社長「おい、アウゲンマースを買ってこい!薬局に売ってるから。」
新人N「(怪訝な顔して)???アウゲンマースを買う???」
社長「職人Wも知ってるから聞いてみろ。」
(別の場所にいて全然状況を知らない職人Wのところに行って)
新人N「社長がアウゲンマースを買ってこいっていうんだけど、何?どれくらい買えばいいの?」
職人W「あぁ、バケツ1杯だ。販売員Mに言えばお金くれるから買っておいで。」
(新人N、1階のお店へ上がる)
新人N「薬局でアウゲンマースを買ってこいと言われたから、お金ください。」
販売員M「おぉ、(レジから50ユーロ札出して)これで足りるから。」
そして新人Nは50ユーロを持って近所の薬局へ。
新人N「アウゲンマースをバケツ一杯ください。」
薬局職員「????」
新人N「????」
彼が工房に手ぶらで帰ってきて、みんなに大笑いされたことは言うまでもありません。
何も示し合わせることなく、初めての冗談に対応した職人Wと販売員Mの頭の回転の速さと機転に私はただひたすら関心しました😂
Spitzknochen
シュピッツクノッヘン:直訳すると尖った骨。
(日本で使われているのか、どういう名称なのかは分かりません。)
上の写真のような、先の尖った薄いヘラ・棒状のもので、
昔は本当に何かの骨を使っていたのかもしれませんが(象牙とか?)、今ではプラスチック製です。
ある日、入ったばかりの新人に職人が、
職人「これは、シュピッツクノッヘンと言って、牛の骨でできていて、みんな自分で作るんだ。だからお前もお肉屋さんに行って、骨をもらってこい。」
次の日、
新人「はい、骨をもらってきましたよ!」
と牛の肋骨をカバンから取り出してみんなに見せる。
まさか、本当に持ってくるとは・・・と職場全員唖然😂
からかわれた二人は今ではマイスターです。
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